壁量計算について

 

こんにちは
先日の台風10号は怖かったですね。
備えは万全でしたか?

今回の台風で被災された方に心よりお見舞い申し上げます。
一日でも早い復旧を祈っております。

幸いにも僕等が現在進めている物件、お引渡し後の物件共に被害が無かったのは良かったのですが
未だ台風シーズン中なのでもうしばらく注意が必要ですね。

最近では100年に一度の台風とか、10年に一度の大雨なんてフレーズをよくテレビで耳にしますが
もう毎年来るかもと個人的には思ってます。
側溝から水が溢れて道路が川になってるのを見ると都市のインフラの再度見直しもしてもらいたいと思うのと同時に
お家が建つ立地や、その土地が低ければGLを上げるとか。
増して検討、対策が必要だと感じます。
もしかしたら住宅の構造等に関しても法的に何らかの梃入れがあるかもしれませんね。

前回のブログで、
用途地域 後編  サザエさん家は第一種低層住居専用地域だよね。間違いないよね!?
を予定していたのですが、
台風シーズンという事もあり災害対策等に関して書こうという事になりました。
緊急特番ってやつです。(笑)

僕の仕事で今回のテーマに沿う事といえば壁量計算でしょうか。

壁量計算とは、
建築基準法令46条第4項に定められていて、
建物にかかる地震力・風圧力に対して必要な壁量を満たしているかを確認する計算の事です。
壁量とはただ単に壁の事ではなくて耐力壁(筋交や構造用合板が配置されている壁)がカウントされます。
木造二階建ての住宅にはこの計算が必須と言えます。
というか、義務です。
当然ながら建物の大きさ・形・高さ等により必要な耐力壁の量が増減します。
風や地震の揺れに対してどんな事を考えながらやっているのかを少しお話したいと思います。
同業者向けの専門的な説明は検索すれば山ほど出てくるので、今回は小難しい計算式等は無しで
理屈だけ何となくご理解いただけたらと思います。

言葉だけではなかなか難しい難しいので簡単な図で説明します。
X軸方向にやや長い木造総二階建ての建物を想定しました。↓
玄関が無いとか、キッチンが無いとかは受け付けておりません。(笑)

この建物に必要な壁量は満たしているものとして筋交を入れてみました。
三角形が筋交の記号で、左右対称に重なったような記号が筋交を交差して入れたものです。
全体的に見てバランスよく配置されてる事がわかります。
片側に寄りすぎると力を受けた時に捻じれを生じる結果になりよろしくありません。
また、長編方向よりも短編方向に交差されてる筋交が多いのは南北面が風を受け止める面積が大きくなるためです。

筋交がどんな入り方をしているのかわかる南側から見た簡単な軸組図です。↓

悪い例がこちら↓

筋交には力に対する方向性がある事がわかります。
必要な壁量、その位置も適切ではあるものの、筋交の入れ方がよろしくないと上手く抵抗しないという事です。
右側にペチャンコになりそうですね。

ちなみに、僕達が造るお家には筋交に替わるものとして構造用合板を外周部全面に入れております。↓

単発の筋交を入れるより耐力があるため筋交を減らすことが出来プランの自由度が増します。
当然ながらお家には玄関、窓や掃き出し等の開口部があり構造用合板だけでは壁量不足になる箇所が出てきたりするのですが
その時は構造用合板 + 筋交で壁量を満足させます。

必要な壁量を満足させつつ、平面的にバランスよく耐力壁を配置し、
筋交を入れるのであれば抵抗力を発揮できる入れ方にする事が大事だと考えます。

何となく理屈はご理解いただけたでしょうか。。。
こんな事を考えながらやっております。

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