お家づくりに関わる用途地域について 後編

こんにちは。
朝晩は大分寒くなりましたね。
僕はバッチリ風邪を引いてしまいました。
皆さんも気を付けられて下さい。

前回は台風シーズンという事もあり番外編として構造の話を少しさせていただいたのですが、
今回は前々回の続きである用途地域の後編になります。

おさらいとして用途地域とは、
計画的な市街地を作るため、建物の用途・規模に制限を付けて秩序ある地域とする目的のために設けられている
と、いうものでした。

その中身はというと、細分化されてるのでザッと羅列してみます。
大きく分けると、
住居系8種 商業系2種 工業系3種 の計13地域となります。

・第一種低層住居専用地域
・第二種低層住居専用地域
・第一種中高層住居専用地域
・第二種中高層住居専用地域
・第一種住居地域
・第二種住居地域
・準住居地域
・田園住居地域

・近隣商業地域
・商業地域

・準工業地域
・工業地域
・工業専用地域

と、なります。

その前に。。。
容積率と建蔽率の話をしておきます。
上記の各用途地域には建蔽率・容積率の限度が設定されていて建物の規模に影響します。

建蔽率とは、敷地面積に対する建築面積の割合をいいます。
容積率とは、敷地面積に対する延床面積の割合をいいます。
敷地に立つ建物を真上から見た図 ↓

指定される建蔽率・容積率の限度以下にしなければなりません。
この事を踏まえた上で見ていただくとよりイメージしやすいかと思われます。

それでは住居系8種から見ていきましょう。

第一種低層住居専用地域
その名の通り低層住宅のための地域です。
建物の高さが10m若しくは12m以下に制限されたり、
隣地境界・道路境界から建物を1m若しくは1.5m以上離して計画しなさいよ等の制限があります。
建蔽率40% 容積率80%程で、規模の制限としては一番厳しい設定の地域となります。
プライバシーの確保、そして街並み、閑静な住宅街をイメージしてもらえればいいと思います。
そうなんです。。。
サザエさん家がある地域みたいな感じです。(笑)
縁側でタマがぐっすり眠れる住環境ですね。
※サザエさん家は平屋ですが、2階建住宅くらいの高さは大丈夫です。

第二種低層住居専用地域
第一種低層住居専用地域と大した違いはないのですが、店舗等の床面積が150㎡にまで可能になるので
コンビニや飲食店なんかもこの地域から混在してきます。

第一種中高層住居専用地域
主に中高層住宅のための地域です。
ここから外壁の後退や高さの制限はありません。(道路斜線・隣地斜線制限等の高さの制限は別で存在します。後日記)
建蔽率60% 容積率150%程
病院なんかもこの地域から建てられます。

第二種中高層住居専用地域
第一種中高層住居専用地域で建築可能な建物に加え、事務所建築が可能となり店舗もより大きなものを建てる事ができます。
建蔽率60% 容積率200%程

第一種住居地域
まだまだ住環境を守るための地域です。
上記で挙げた建物に加え、3000㎡までの店舗やホテル等が建てられます。
建蔽率60% 容積率200%程

第二種住居地域
同じく上記で挙げた建物に加え、ボーリング場やスケート場、パチンコ店やカラオケボックス等も建てられます。
建蔽率60% 容積率200%程
ここまでくると大分商業系の雰囲気が強くなってきましたね。
名目上は住環境を守る地域なんですが。。。ホントにそうなんでしょうか。
縁側に居たタマも室内に移動してるような気がします。

準住居地域
国道や幹線道路沿いに指定される事が多い地域です。
建蔽率60% 容積率200%程
上記で挙げた建物 + 小規模の自動車修理工場や劇場、映画館なんかも建てられます。

田園住居地域
実はこの地域の存在を最近知りました。。。勉強不足で申し訳ないです。
去年出来た地域らしいのですが、内容としては第一種低層住居専用地域に近いものとなっているようです。
ちなみに、熊本市内にはこの地域は設定されておりません。

住居系8種を簡単に説明してきて既にお気付きかと思いますが、
用途・規模共に商業系に向かうにつれて制限が緩くなっていくのが分かります。

どんどん行きましょう商業系2種です。

近隣商業地域
近隣の住民が日用品等の買い物をするための地域です。
準住居地域で建てられる建物に加え店舗等の床面積にも制限がありません。
殆どの用途の建物が建てられます。
建蔽率80% 容積率300%程
用途もさることながら、規模も敷地に対してパツパツに建てる事が可能な地域です。

商業地域
近隣商業地域よりさらに制限が緩和され大型百貨店や銀行、映画館等が集まる事を目的とした地域です。
建蔽率80% 容積率400%以上
THE 街中

この商業系2種は生活利便性が高く狭い土地でもお家作りが可能ですが、
人や車の往来も騒々しくなるという特徴があります。
また、敷地いっぱいに建てる事が可能だという事は燐棟間隔が近いという事ですので防火地域の指定が予想されます。
(防火地域についてはまた後日記)

タイピングしてる指がつりそうになってきましたが呼吸を整えて全集中で工業系3種に移りたいと思います。

準工業地域
軽工業の工場、サービス施設等が立ち並ぶ地域です。
住宅やホテル、病院や学校等も建築可となっています。
建蔽率60% 容積率200%程
熊本市内で言えば流通団地付近、上熊本駅の沿線付近がこの地域に該当します。
個人的には意外と街中な印象があります。

工業地域
どんな工場も建てられる地域です。
住宅や店舗は建築可能ですが、病院や教育施設は建築不可となります。
危険物の貯蔵やその処理等の工場建築が認められている地域なので、
お家作り検討の際には更にエリアを絞ってリサーチする必要があります。
建蔽率60% 容積率200%程

工業専用地域
工場のための地域で、唯一住宅の建築が不可能な地域です。
ちなみに熊本市内でこの地域は設定されていません。

お家が建てれない工業専用地域は置いといて。。。
他2地域は、建蔽・容積共に制限は比較的緩やかで一戸建ての住宅を計画するという事に関して言えば特段難しい事はありません。
ただ、検討中の土地の周辺にどんな工場があるのか、
また、工業地域に至っては小中の教育施設が無いため地域外の学校までの距離がどれくらいあるのか
等の項目を土地の選考基準に足した方がいいように思います。

簡単にではありますが全用途地域13種の特徴をお話させていただきました。
どの地域がオススメとか、ダメだとか、そんなのははっきり言ってありません。
ここまで読ませといてそりゃ無いでしょうよ的な意見が無きにしも非ず。。。
かもしれませんが、(笑)
お客様の要望・状況次第で答えが変わってきます。
こんな環境で生活したいとか、家族構成、予算、勤務先までの距離、実家に近い方がいいとか、
その他諸々多岐にわたる上に優先順位が個々で異なります。
このお客様には白な土地が、隣のお客様には黒だったりするわけですね。

すぐに土地が見つかるお客様もいれば、
そうでないお客様もいる。
意識を変えて別の土地を検討されるお客様もいれば、
待たれるお客様もいます。
皆様正解だと思います。

土地探しを含め、最後にEDGE STYLEで正解だったと思っていただけるお家作りをしていきたいですね。

前々回、間を挟んで今回と、用途地域を2回に分けてお話してみました。
お家作りの参考・予備知識程度にでもしていただけたら嬉しく思います。

お時間があれば。。。
実は、各地方自治体のホームページで用途地域は調べる事ができます。(地方自治体によっては無い場合もあります)
熊本市の場合→ https://www.sonicweb-asp.jp/kumamoto/
検討中の土地や今現在お住いの土地を調べるのも面白いかもしれません。

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